『愛しい気持ち』
ありったけの愛で包めたら、幸せになれるのかもしれない。
「ルーク?」
覗き込んでくる赤い瞳が愛しい。こんな感情初めてだった。
もうすぐ消えてなくなってしまう自分が彼に出来る事とは何だろうか?
彼を愛しいと思う気持ちが彼に全部伝わったらいい、そう思う。
「ジェイド、なんか欲しいもんある?」
期待を込めて尋ねた。返ってくる言葉はたった一つだと信じている。
最早、確信に近く、そんな自分が憎い。
それでも一言でも多く彼の口から自分の名前を聞いていたかった。
「分かってて聞いてますね、その顔」
それでも彼は甘やかすように頬を緩めて、柔らかく笑ってくれた。
頬にキスをくれて、一言耳元で名前を囁いてくれる。
ふいに涙がこぼれた。
どうしてこんなにじれったいんだろう。
どうして永遠を誓えないのだろう。
今の気持ちが嘘じゃないのに、彼にはあと少ししか伝えられない。
「……」
唇から、かすかに声がこぼれた。
彼が覗き込んでくる。どうしたのか?と抱きしめてくる。
「俺も、ジェイドがいい」
沢山のプレゼントよりもたった一人のあなたが欲しい。
ありったけの愛であなたを包めたら、今だけでも幸せになれるだろうか。
頬に涙が伝う。
たまらなく、彼が愛しい。