『朝』
チチチっと窓の外で鳥が鳴く声が聞こえた。
薄っすらと目を開けると見慣れた肌と温かい体温。
あぁ、昨日はそのまんま寝たんだった。
ルークを抱き締められるようにして眠る姿は普段からは想像出来ないが、腕、痛くないのかな、とか、横向きで眠って肩が凝らないのかなとか考えてしまう。自分としては温かいから気持ち良いんだけど。
昨日はそのまま眠ってしまったので身体を洗わないといけない、シャワーを浴びよう。
ごそりと動いて、ジェイドを起こさないように慎重に動いた。
しかし。
「ん、朝…ですか?」
「御免、起こしちゃったな」
「いえ。頃合いでした」
ジェイドは腕の中にいるルークを一際強く抱き締めるとルークの首筋に顔をうずめ、甘いルークの香りを吸い込んだ。
ついでに鎖骨に歯を当てて噛みつくとルークがぎゃっと小さく悲鳴を上げる。
「……色気がありません。ルーク」
思わず漏らすとバシッとルークの手がジェイドの頭を叩いた。なんだかおかしくなってジェイドは肩を震わせながら笑うと、ルークが頬を膨らませた。
「な、なんだよ。わりーな。色気も無い子どもで」
「いえいえ。昼間と夜では誰だって違いますから」
そう言って、起きて一緒にシャワー浴びましょうかと身体を起こしたジェイドの表情にルークは顔を真っ赤にした。
「朝も夜も関係ないだろ」
いつでも毒な程の色気。