『日の色』
珍しく朝方に目が覚めた。
連日雨を降り続かせていた雨雲はどこへやら、朝焼けが綺麗だった。
「うわー!すげー」
久し振りに見た太陽はオレンジ色で丸くて温かかった。それはあの人の瞳の色に似ていると発見した。
「ジェイド、ジェイド!晴れたぜ!」
それが嬉しくてルークはまだ眠っていたジェイドのベッドへ走り寄り、ジェイドをゆすり起こす。
「……ルーク?今、何時ですか?」
これまた珍しいジェイドの寝起きにルークは一瞬目が丸くなる。
ジェイドって寝起き悪かったけ?ルークの記憶に思い当たる節は無い。
というのも、いつもは自分よりも早く起きていたから実際にジェイドの寝起きを見るのは初めてだった。
目元がぼやっとして何回か瞬きを繰り返す様子が可笑しくって、少しだけ優越感に浸る。
もしかしたら、自分の寝起きもこうなのかもしれない。
そう思うと照れくさい気もする。
「4時位!空がすげーの!真っ赤!」
何だか嬉しくてルークは声を押さえもせずに、窓の外を指差す。
ジェイドがやれやれと上半身を起こした。
「……成る程。朝焼けが美しいので私にも一緒に見て欲しいんですか」
サイドテーブルに置いてあった眼鏡をかけてルークを見た。
すると急にルークはしゅんとなる。
どうやら真面目に見つめた事でジェイドが機嫌を損ねたと思ったらしい。
「あ、御免。その……」
あれこれ考えて、ルークはジェイドの眼鏡を奪ってベッドに押し倒した。
「!? 何ですか?」
ジェイドがびっくりした様な顔をする。
「ごめん、寝てていいよ!ジェイドまだ眠いだろ!」
慌てて修正を加えるルークが微笑ましい。
ジェイドがふっと笑った。
ルークの頭を両手で固定して引き寄せる。
「?」
意味が分かっていないルークの唇に軽くキスをする。
バッとルークが慌ててジェイドの手を振り切って、ジェイドの上からも退ける。
「ちょ……なにする…」
「朝焼けよりも赤い、私の目で勘弁して下さい」
そう言って見つめるとルークは照れたように笑うのだった。
END
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